文学

奇矯な想像力に耽溺する悦び ―― エイモス・チェツオーラ『やし酒飲み』

エイモス・チェツオーラ『やし酒飲み』(土屋晢訳, 岩波文庫)を読んだ。ナイジェリア出身のチェツオーラが1952年に著した小説である。「アフリカ文学」にカテゴライズされる小説のなかで、おそらく唯一、岩波文庫に入っている作品ではなかろうか*1。ひょっ…

本屋でもっとも万引きされている村上春樹の小説

www.cbc.ca インターネットを徘徊していると、このニュースに遭遇した。トロントのある本屋において、最近では、村上春樹の小説がもっとも万引きに遭っているというものである。記事の本文を読んでみると、かつては頻繁に万引きされていたのは、ケルアックや…

ゴーゴリ『外套』の命名にまつわる箇所について

彼の名はアカーキイ・アカーキエウィッチといった。あるいは、読者はこの名前をいささか奇妙なわざとらしいものに思われるかもしれない。しかし、この名前はけっしてことさら選り好んだわけではなく、どうしてもこうよりほかなに名前のつけようがなかった事…