書籍

動的平衡の流れとしての生命への驚嘆 ―― 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

何年も積読となっていて、本棚の一角に居座りながら、わたしにたいしてちらちらと定期的に自己主張をしていた福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書, 2007)を読んだ。まったくもって素晴しい本だった。 よい本であるということはかねてより幾度…

美術鑑賞の新しい愉しみかた――〈ソーシャル・ビュー・ゲーム〉について

わたしは、このところお茶碗鑑賞に執心していて、その事の次第については改めてまた記したいと考えているのだが、ここでは先日の経験について一筆取ろうと思う。というのは、大阪の藤田美術館に足を運んだときのことである。藤田美術館では「ザ・コレクショ…

水林章, "Une langue venue d'ailleurs" ―― 異邦のことばを話すということ

嫉妬した ――と表現するのがいちばん近いかもしれない。フランス語を学び、フランスでいくらかのかけがえのない時間を過ごし、そしてフランスという存在そのものへの執着を多少なりとももっているわたしにとって、そのような道の遥か先をゆく水林先生の存在は…