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 あまりにも長い空白ができてしまった。かりにどれだけ懸命になってインターネットの荒涼な大地に足跡を残していこうとも、そこに痕跡として記録されうるのはわたしの人生を形づくっているもののほんの一部でしかない。だが一方で、このような場所は、ときどきの情感のきめ細かなざらつきを――そのようなざらつきは、大概にして時の経過とともに摩耗し、失われてしまう――憶えておくためにも、わたしにとって必要とされているはずだった。私的な記憶の集積が、のちの自分自身に奉仕するというだけではない。たとえ読者がひとりもいなかったとしても、その痕跡があるいは見知らぬだれかに届くかもしれないという可能性がひらかれていること、その事実がわたしにとって重要なのである。たったその事実だけで、わたしはいくらか救われた気持ちになったりするのだ。だからこそ、客観的な基準に照らし合わせればほんの三ヶ月にすぎない小休止でも、それはもっと大きな深淵としてわたしに襲いかかる。なかなかことばが見当らない。打鍵する指が動かない。そうした現実を直視することを惧れて、意味を形づくることなどない断片ばかりを摘んでは、味がなくなった途端に水に流してしまっていた。わたしは、どうやらリハビリテーションを切に必要としている。