ソロモン諸島の音楽にたちまち恋に落ちて

 四の五の言わずにとりあえずこのヴィデオを観てほしい。

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 フィリピンのカリンガ族の楽器だというトガトン(Tongatong)のことを調べ、YouTubeで目についたものを片っ端から再生していたところ、たまたまソロモン諸島のサンタ・イザベル島の部族の演奏を撮影したものに遭遇した。この音楽がべらぼうにいいのである。くらくらとたちまちに恋に落ちてしまった。

 これはもう、わたしの心を完全に掴んで離さなかった。このヴィデオを観てから数日のあいだ、ずっとソロモン諸島のことが頭から離れないのだ。世界各地の多くの民族音楽がそうであるように ―― とはいえ、ほんとうにそうであるか、なぜそうであるかということについては知見を持っていないのだが ―― 反復を基調とするリズム音楽なのだが、わたしの知っている民族音楽とはちがって、ソロモン諸島の音楽はミニマリズムとは一線を画するポピュラー・ミュージックに仕上がっているのである。

 

 複数の奏者によって叩かれている竹でつくられたシロフォンのような打楽器は、たとえば西アフリカによく見られるバラフォンと同じような構造をもっているように見受けられるものの、このヴィデオで奏でられている音楽はアンサンブルとしての多幸感のあふれる長調のコードを繰り返してゆく。このコード進行が、なにもかもを浄化してくれそうな、はじけるエモさを携えている。そのうえに乗っかってゆくメロディの感動的であること! いますぐに踊りだしたくなってしまう。

 

 この映像はいつ撮られたものなのだろうか。まだこのような風景は、このような音楽は、かの島に残っているのだろうか。4年おきに開催されている Festival of Pacific Arts ものがあるらしく、前回の2012年はソロモン諸島での開催であったようだ。もうすこし早く出会っていれば、その機会に是が非でも足を運んだのだが。とまれ、ソロモン諸島にはいつか足を運ばなければならない、もうすでにわたしは呼ばれてしまっているのだから。

 ソロモン諸島をはじめとして、バヌアツパプアニューギニア、フィジー、ニューカレドニア(フランス海外県!)といった国々からなるメラネシアの地域は、もうすこしいろいろと調べる価値がありそうだ。じつは、ニューカレドニア日本語教師アシスタントの募集の口を目にして、ものすごく逡巡したのだが、結局任務期間と相談したすえに辞めてしまったことがあった。もしまたこのような機会があれば、飛びつくようにしたい。メラネシアの島での暮らし。浪漫しかないじゃないか!