雑記

だれかの会話 | ケンタッキーフライドチキン新宿靖国店にて

女 わたしたちの関係って、友だちって言ってしっくりくる? 男 ・・・おれはまあしっくりくるかな。 女 友だちなのは友だちだもんね。 男 そうね。 女 でもただの友だちって言われるとまたちょっと違うじゃん。 男 うん。難しいよね。 女 お互いに理解しあっ…

雑記( November, 2018 )

・このまま冬をすっ飛ばして、春が来るのではないかという陽光がつづく。いつもはすでに散っていてもおかしくない銀杏の葉にまだ緑色を認めることができる。 ・というように思っていたら、一気に冬がやってきた。あわてて冬物のコートを着た。外にいると指が…

雑記( October, 2018 )

・金木犀が香っていたのはほとんど一瞬のことにすぎなかった。 ・少し前からツイッターで、いわゆる裏アカウントをつくって、毎日140字の日記をつけはじめた。これまでわたしは数え切れないほど、いろいろなメディアで日記をつけようとしてきたが、ほとんど…

雑記( August, 2018 )

・ほとんど息をつく間も無いままに、颯爽と走り去っていった八月だった。もともと今年の夏はゆっくり夏目漱石でも読もうと文庫本を買い揃えていたのに、腰を据えて文庫本をひらくような時間はほとんどなかったような気がする。本棚に立ち並ぶ赤茶色の背表紙…

雑記 1( August, 2017 )

八月最後の日、わたしは大阪のちいさな公園のベンチに腰かけ、にわかに快がハウリングしていく歓びに浸っていた。その瞬間、わたしは幸福だった――この八月ならば、九月が来なくたっていい、永劫回帰したっていい、と純粋に信じることができたのである。 こう…

雑記( June, 2017 )

以前、ある時期に書いていた月記にあたるものをまた書きはじめようと思う。なるたけ続けることが肝要である。わたしの日常には、とりたてて読者の耳目を惹くような出来ごとはとくにないということをあらかじめお断りしたうえで、六月のこと。 極度の寒がりの…